海音寺潮五郎先生のエッセイに「女郎蜘蛛」というのがありまして、鹿児島で当時行われていた(今も催されているのかは分かりませんが)蜘蛛相撲のことについて書かれておられました。蜘蛛にもいろいろいてるらしく、ごっつい強気なものや全くの弱気のものがいてるそうです。弱気な蜘蛛の部類の最たるものは、土俵になっている棒の下へ糸を垂らして逃げ出していくものだそうです。ただし土俵の下には水がひたしてあるので、慌てて土俵へ帰っていくんですが、その時の表現を「絶望的な勇気を振り絞って戦うのだ」を書かれています。ずいぶん前置きが長くなりましたが、その「絶望的な勇気を振り絞って」奈良から帰ってまいりました。