チーズじゃあ

昨日の夕方の飛行機でイルデパンからヌメアへ戻ってきました。最初に泊まったととこと同じホテルやったんですが、前回のカードーキーに続いて今回は予約記録なしとのこと。五つ星ホテルとはいいながら、どうもこのホテルとは相性がよくない。
 今日の午前中、ヘリに乗って島の周遊。ヘリポートへやって来たヘリを見た時、小ぶりやったのでホンマにこんなんで大丈夫かいなとちょっと不安で、乗り込んで動き出したにはその不安は倍増したけど、高度があがって周りの景色を眺めてるうちに一掃されました。男女のガイドさんはともに英語で説明してくれて、ただ半分以上分かりませんでしたが、そんなわしらにも辛抱強く丁寧に教えてくれました。
 まずは本島をグルッと回った後、海へ。サンゴ礁に囲まれた大小の島々を巡って、途中ウェンバーていう名前の無人島に上陸。するとガイドさんがシャンパンを用意してくれて、白砂の上で乾杯。ガイドさんにも勧めようかと思ったけど、よう考えたら操縦士やがな。こんなんやったらなんかジュースでも持っていったらよかったなあ。30分程島に滞在して再び海へに出て島巡り。昼前にホテルに戻ってきたんですが、島の全容が分かったような気分になりました。

 昼飯にはまだ少し時間があったので、今度はホテル近くにあるお土産屋さんを歩いて回ることに。雑貨を扱っている8畳ぐらいの広さの1軒の店が気になったので入って中の品物を物色してると「何か探し物はありますか」と日本語で話しかけられました。見ると現地人の女性の店員さんやったんですが、日本語分かるんやと思って、「エコバックとタオルを見たいんやけど」て言うと、「ん?」ていう感じで小首を傾げられました。仕方なしに片言の英語でお願いしたけど、結局ええのはなし。これっちゅう特産品がないのがここの弱点やなあ。
 午後からは観光と土産物探しを兼ねて、島の中心街であるココティエ広場へ。ただ中心街やいうてもそないたいしたことないけどね。お土産を買うためにあちこちうろうろしてたんですが、どの店行ってもチョコレートの試食は勧められるけどなかなかまとまらず。日差しもきついしちょっと一服したいなあて、思ってたところ、ある店の前で「何かお土産ですか」とまた日本語で話しかけられました。今度は男性の外国人。たださっきの人よりはずっと流暢な日本語でペラペラと。気になったのでその店に入ることにしました。すると日本人のおばあちゃんが、ていうてもその男性と夫婦らしいんやけど、店の奥から出てきました。そしたらそのおばあちゃん、久しぶりの日本人にあったのか、あるいは元来話好きなのか、ようしゃべるのなんの。結局1時間ぐらいひとりトークでした。でも久々に心おきなく日本語で話できてとても面白かったですよ。ただこの店では今日は買いませんでした。
 ニューカレドニアはフランス領ということで晩飯はフランス料理。チーズフォンデュラクレットていう料理を食べることになりました。やっぱりガイドブックをよう見といた方がよかったなあ。ふたつともチーズ料理やがな。それに昼飯をホテルで食べたんですがこれが思いの外量が多くて、ええ時間になっても腹が張ったまま。テンションが下がったまま1時間ほどバスを走らせて、ある山の中腹辺りにあるレストランまで。「シティハンター」に出てくる海坊主みたいないかついドライバーが運転してくれたんですが、山道を奥に進んで細く淋しい道をグネグネ。しかも運転がめっちゃ荒い。ホンマに目的地へ向かってるんやろかと、不安に思いながら隣を見ると、よう寝てました。むう、たいしたモンじゃ。そんな心配をよそに、バスはどんどん進んでやがてあるところで停車。周りは暗くて何にもないし、不安適中か?と何か戦えるものはと探してると、海坊主が「Look」て言いながら窓の方を指さしてます。見るとヌメアの街の光が一面に。まあ神戸みたいに百万ドルとはいかんけど、澄んだ空気の中に周囲の暗さと相まってなかなかきれいでした。海坊主を見直しました。
 その後バスは目的地のレストランへ到着。ちょうどええ具合に腹も減ってきました。で、最初にやってきたのはチーズフォンデュ。そうや、忘れてた。またちょっと気分が沈みがちになったところへ料理がやってきました。まあ全く手をつけずちゅうわけにもいかんし、パンにチーズを絡ませて一口だけ。するとチーズ独特の臭みがなく、食べることができました。よかったあ。
 チーズフォンデュをさらった後、やって来たのは皿に盛られたサラダとハム、それとジャガイモの山と、直径5〜60cmほどある、マンガやアニメで出てきそうな半月形のチーズの塊。それをテーブルに備え付けてある金具に固定して、電気スタンドの灯りの部分が平らになったものをチーズのちょうど切り口の部分へ近づけてまた固定。これはどうやら電熱器やったようで、しばらくするとチーズの表面が柔らかくなってきて、チーズの下に受けてある器へトロトロと流れていきました。これ面白いなあ、フランス料理てこういう仕掛けのあるのが多いね、とか言いながらふたりでずっと眺めてると、器の中のチーズがあふれんばかりに。これどないするんやろ、て思ってるうちに店員がやってきて「終わった?」なんのこっちゃか全然分からんかったので、ふたりでポカーンとしてると、店員がチーズの様子に気づいて、慌てて電熱器をチーズと引き離した後、チーズで一杯の器を指さして「これにジャガイモをつけて食べるんだよ」噛んで含めるように教えてくれました。これがラクレットやったんやね。いやあ、恥ずかしかった。汗顔の至りとはこのことです。ただこのチーズも食べることができました。結局大満足でした。