スーパーで買い物してると、左右の通路をトタトタ走る音が。2〜3歳ぐらいかなあ、男の子が元気に走っております、と思ってたら足がもつれたのか、前のめりに頭からやってしまいました。ああ、これは絶対に泣くなあ、としばらく様子を見てると、どうにか踏ん張った見たいで立ちあがってまた走って行きました。お、なかなか我慢強いがなあ、と感心して、しばらく買い物を続けておりますと、店内中に響く「ギャ〜」という泣き声が。ん?ひょっとしてと耳を澄ますまでもなく、声の主の方がお母さんと一緒にやってきました。やっぱりさっきの子で、なぜか靴下がえらい汚れております、というか靴を履いておりません。お母さんが「靴どこやったん?」と聞いてるんですが、彼は答えることなくただただ泣くばかり。そのうち親子は向こうへ行ってしまいましたが彼の泣き声のトーンは、イヤホン越しにでもよう聞こえてきます。
あれこれと買い物を済ませて、さあ帰ろうかと出口へやって来ると、親子にまた出会いました。彼はまだ泣いてましたが、さすがに疲れてきたようです。足元を見ると靴をはいてました。あ、見つかったんやね。よかったよかった。ただ彼はしきりに「いややあ、いややあ」て言いながらぐずっているようです。何がイヤなんやろか、それは結局分からずじまいやったけど。ちょっと微笑ましくて、ちょっと切なかったひと幕でした。