どちらがヒーやらリーやら

5月21日 どちらがヒーやらリーやら

朝に乗る電車の車両は、いつも中団やや後方あたりです。座席に着いてウトウトしかけていると、前の車両の方から男の子の泣く声が近づいてきました。この時間帯やからおそらく小学生やけど、おそらく低学年。なんで泣いているのか声に耳を傾けていると「前がいい」とのこと。どうやら前の車両が気に入っていたようで、さらにはホンマはもう一本前の電車に乗りたかったのに、なんでなん?とのこと。それを聞いたお母さんが、イラつくことなく冷静に彼をなだめてるんですが、彼は「いやや」一点張りで泣いてばかり。彼には彼の「理」が、お母さんにはお母さんの「理」があるんでしょうね、そしてそれらがぶつかって。そのシチュエーション、よく分かります。ウチもしょっちゅうなので。そう言えば司馬遼太郎の短編小説の中で、たしか「豊臣家の人々」やったと思いますが、北政所の巻で太閤と北政所がとあることで口論になった際、御伽衆、曽呂利新左エ門やったかなあ、「どちらがヒーやらリーやら」と囃し立て、その場を収めるとう場面があったのを思い出しました。

わたしから彼にひとつアドバイスできるならば、「今はお母さんの言うこと聞いて」と伝えてあげたいです。今はね。これから大きくなって、いろいろ物の道理が分かるようになって、それをうまくお母さんに伝えることができるようになったら、お母さんも分かってくれると思います。とかいろいろ考えてたら、目が冴えてしもて全然休めませんでした。